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水嶋 玲以仁 様との対談

水嶋 玲以仁 氏との対談 水嶋 玲以仁 氏との対談

どこにでも通用する究極の営業術
インサイドセールスの楽しみ方

水嶋 玲以仁 様

水嶋 玲以仁

グローバルインサイト合同会社
創設者兼CEO


インサイドセールスの実務全般について、18年に及ぶ経験を持つ。そのうち16年間は、世界有数のIT企業でBtoB及びBtoCのインサイドセールス、営業チームの発展と管理業務に携わる。
組織をリードし、マーケティングにおけるクライアントのニーズに実践的かつ核心を突くサポートを提供。 グローバルなマーケティング組織と国内のビジネスフレームワークを結ぶ熱意を持った専門家。 理にかなったマーケティング能力に加え、Microsoft、Google、Dellなどトップグローバル企業での経験に裏打ちされた営業マネジメントスキルを備える。

自己紹介

熊谷:
本日はお忙しい中ご協力いただきありがとうございます。まず水嶋様の自己紹介をお願いいたします。
水嶋:
グローバルインサイトでインサイドセールスと営業の仕組みのコンサルタントをやっています。これまではDELL、Microsoft、GoogleなどのIT業界のインサイドセールスのマネージメントをやってきました。

インサイドセールスの魅力について

熊谷:
それでは最初に、インサイドセールスの魅力について教えてください。やったことのない人にどういう風に魅力を伝えれば良いのでしょうか。
水嶋:
インサイドセールスは日本の営業としては新しいポジションになります。
キャリアという部分で考えると、今は需要と供給のバランスがアンバランスになっていて、インサイドセールスを求める会社は非常に増えてきているにもかかわらず、人材が不足しているためインサイドセールスの経験者は有利になってきています。
日本の今までの営業というのは、自分のいる会社や業界の仕組みを理解して、固有の知識をうまく習得した人がお客様にアプローチすれば売れていました。
しかし、インサイドセールスは「仕組みでモノを売る」ということで、製品の知識で売るのではなく、全体のプロセスを理解し、お客様との密な関係をいかに構築して売るかという、業界に特化しなくても「どこでも通用する」スキルを求められるんです。アスリートで言うと、基本的な体力だとか、筋力の使い方、身体の動かし方をマスターすることをまずは要求されるイメージです。
そういう意味でいうと、インサイドセールスはマーケティングやフィールドセールスとの連携力をより求められるポジションなので、幅広い知識と経験が得られることが一番の魅力だと思います。

インサイドセールスの難しさ、向いている人、向いていない人について

熊谷:
逆にインサイドセールスの難しさはなんですか?顔の見えないお客様と関係構築しないといけないというのが、フィールドセールスしかやったことがない人だったりアウトバウンドしかやったことがない人にとってはインサイドセールスって難しいとか、やりにくいと思われがちなのではないかと思っているんです。
水嶋:
正直、インサイドセールスが難しいと思ってしまう人は向かないと思います(笑)。
インサイドセールスって、機敏さと真面目さをすごく求められるんです。早く反応しないといけないし、折返し電話を忘れたりするともの凄いクレームに発展してしまったりするし。早くて真面目で、しかも数字に対してきちんとした感覚が必要ですね。顔と顔でコミュニケーションが取れないからやりにくいとか難しいと思われるかもしれないですが、インサイドセールスの本当の難しさって実は「速さ」ですよね。段取りの上手さ。これが初めてやる人にとっては一番最初にぶつかる壁だと思います。

営業が苦手と言っている人がいるじゃないですか。話すのが苦手とか、対面で話すともじもじしてしまうとか。そういう人でも電話だったら話せるとか、きちんとしたメールが送れますという人の方がメキメキ成長すると思いますね。だから逆に、何となく明るい雰囲気でニコニコしていて、お客様と仲良く喋れるというのが営業だと思っている人にとっては難しいから向かないと思いますね。そういう人によくありがちなのが、「あとよろしくね」って人ですね。ちゃんと最後まで契約のプロセスを真面目にやることができない人は向いていないですね。

あと最近の流行りとしてSNSに慣れているから、合わないといけないと思います。
人が減ってきているからこそ、20代30代の方がものすごく適応が早いですね。ハマるとどんどん伸びるしマルチにコミュニケーション取れることが求められる。どういうことかというと、例えばこうやって目の前の人と喋りながら、他の業務の対応をするとか同時に2つも3つも並行して進められるというようなことです。
春になると駅前で名刺交換してくださいって人に会わないですか?新卒研修としてやっている企業がいて、春になると絶対増えるんですよ。アレ、絶対によくないと思っています。営業はこうやって度胸をつけて、知らない人と名刺交換して、会話することが営業なんだって思っている会社。私は早く絶滅させたいと思っています(笑)。

新卒の皆さんは若いし真面目だから、最初は一生懸命やろう!と思うかもしれないけど、何人かはこれが営業なのか…と思い心が病んでしまうんです。私は営業ってもっと楽しいものだと思っているし、インサイドセールスは数字を達成することの楽しさや、新しい仕組みを造ることの楽しさを知ると意外と大変じゃないし、どんどん自分でチャレンジしていく。あるいは競争することもゲーム感覚でやってくれるようになると思う。

インサイドセールスはチームで行うものです。テレアポ部隊とかって、個人で朝から晩まで電話を掛け続けるじゃないですか。これが1人でも10人になってもやることは変わらないです。だけどインサイドセールスは違って、人数が増えると仕組みも変わっていくし情報共有方法や顧客対応方法をどうするなど、チームワークが非常に必要になってくるので楽しいと思います。

過去の営業経験から、プライドが高くなってしまっている人たちにとってはすごくハードルが高くて戸惑うかもしれないですね。責任者の方はいかに教育に投資をして、若手に楽しく仕事をやってもらえるかを考えることが大切ですね。間違いなく、素直で真面目な人がいいです。過去に失敗していてもいいんですよ。人生でリストラにあいましたとか、営業成績はないんですが家族がいるのでもう一度イチからやり直したいという人とか。そういう真面目な人の方がよかったりします。
面接って騙されやすくて、自信なさそうにしているからといって必ずしもダメだと思わない方がいいです。ものすごく自分をアピールするのがうまい人の方が、つい良い成績が出るんじゃないのかと思ってしまいますが…。

これまでを振り返ると、トップって女性が多かったです。今思うとやっぱり努力する人が多かったです。営業って男女関係なしに明確に勝てるわけですよ。自分の工夫がどんどん生かされるし褒められるとどんどん伸びて外見も綺麗になって、楽しくてしょうがなくなるんだと思います。男性は途中で折れやすい心を持っているんですが、女性は成功すればするほど自信を深めていくパターンが多いですね。特にインバウンドはオペレーションの早さと丁寧さが重要なので女性の方がいいかもしれないですね。DELLの時なんて、モニターを6つ同時に見ていた女性がいたんですよ(笑)。脳の仕組みが違うんですかね。男はいくつもの業務をこなせるほど器用にできないですからね。

インサイドセールスのキャリア形成について

熊谷:
インサイドセールスはどういうキャリアを積んでいくのがいいのでしょうか?
今のDDSでのインサイドセールスは、まず個人のお客様のスマホやUSB対応、次に個人のPC、そして法人対応、最後は法人のデータセンターなどの大型対応といった4つくらいのステップに分かれています。
これは部署内でのキャリアアップなのですが、それ以外だと途中でフィールドセールスなどの他部署に異動して活躍する、もしくは責任者としてマネージメントを目指すとか、いろいろキャリア形成はあると思うのですが…。
水嶋:
そうですね。それでいいと思います。あと追加するとしたらマーケがいいと思います。営業企画とか商品企画とか。
忘れられがちなのが、優れたインサイドセールスはマーケティングに対してのフィードバック能力がすごく高いんです。どのキャンペーンからどのようなリードがきているかなどの分析力だったり、「このリードは絶対にいいはずだ」など自分で判断ができるんです。そうすると、自分だったらこういうプロモーションをするとか、響くようなコピーライティングが浮かんできたり、アイディアがどんどんマーケ的な発想が生まれてくるんですね。
熊谷:
確かにそうですね。今まで全く考えたことなかったです。凄い!目から鱗です。
確かに言われてみると、絶対にその方がいいですね。お客様の声をリアルに聞けることが大きい。しかもインサイドセールスはフィールドセールスと違って圧倒的に数を聞けるので統計的な考え方ができるんです。
水嶋:
ある会社のコンサルティングをした時の話になるのですが、マーケティング部署とインサイドセールスの部署間で会話をしてもインサイドセールスの人からしたらマーケティングの言っていることが理解できなかったんです。いわゆるマーケッターとしての分析レポート業務しかしたことがないから、「ここのコンバージョンページが」とか「インプレッション回数が」とか言われても、何言っているのか全く分からないんですよ。そこで私は、一回マーケティングからインサイドセールスの人へ詳しく講義をするよう指示したところ、マーケティングとインサイドセールスのコミュニケーションが活性化され、結果的に激的にコンバージョンレートが上がったんです。そうするとインサイドセールスもますますマーケティングに興味を持つようになるんです。
熊谷:
凄い!恥ずかしながら今やっと気づきました!
私はマーケティングを過去にやっていたのでできるし、もちろんインサイドとフィールドセールスもできますし、エンジニアもCSもできるんです。けれどなんでできるかって、半端なくインサイドセールスをやってきたからだと気づきました。一回全員インサイドセールスを経験させた方がいいのかもしれないですね。
水嶋:
そうですね。インサイドセールスはお客様のリアルな声を聞けますからね。そのあとどの部署に行っても経験を活かせるんです。デジタルの世界っていうのはなんでも可視化されてしまうので、なんでも分かった気になってしまいがちです。それが怖くて、お客様と接するとそこまでできないことや自分と全然違う考えを持っている人がたくさんいることに気づかされます。新卒社員などは社会人経験が少ないと家族や友達しか関わったことがないですしね。
熊谷:
インサイドセールスを経験して、多少なりとも感覚を掴んでおくということがすごく重要なことですね。
水嶋:
その時にマーケのプロモーションの仕組みをしっかりと理解させることが大事だと思います。
熊谷:
おー…これは凄い話ですね。ここ1年ぐらいで一番衝撃を受けた話かもしれないです(笑)!なかなか衝撃受けることってないのですが、今まで分かった気でいた自分が恥ずかしいです。本当にありがとうございます。この話だけで1時間くらい話が続いてしまいそうなので次にいかせていただきますね(笑)。

インサイドセールスの評価について

熊谷:
インサイドセールスの評価はどうすれば良いのでしょうか?各企業によってバラバラなので。今のDDSは、個人に数字がついているんです。
水嶋:
営業の売上を何%にして、架電を何%にしてなどはあまり意味がないと思っています。何に困っていますか?
熊谷:
インサイドセールスとフィールドセールスがあった場合に、あくまでもリードに対して2部署でどうやって総和を上げるかということになると思うのですが、セクションが分かれているので部署ごとの数字を追ってしまって、なかなか一枚岩の組織になり難いんです。これって評価が悪いのかなと思ったりしていて。
水嶋:
それも一部だと思うんですが…例えば男性と女性でも機能が違うじゃないですか。だからといって夫婦になれないわけじゃない。子育てでも協力しないとダメになる場合もあるし、「俺は仕事をやってるんだから女性は家のことをやってればいい」と考えもあったりすると思いますが良い夫婦っていうのは考え方や価値観が一致していれば問題ない訳ですよ。これを会社に置き換えるとビジョンとかゴールですよね。事業部で達成するものは何だっけという共通認識を持たせることの方が大事だと思います。たすき掛けのような形で共通の数字を持たせることも大事ですが、どんな風にKPI設定をしたとしても共通認識がないと結局うまくいかないケースが多いです。
また夫婦の話に戻りますが、旦那がどれだけ家事を手伝うのが正解かなんて家庭によって違うし正解はないじゃないですか。なので、経営層は評価よりもビジョンとか最終的にお客様に何を届けたいのかということを、どこまで徹底させるのかということを考えた方がいいかもしれないですね。 スポーツの話で言うと、チームにどれだけ貢献したのかということを可視化すること、共有する評価ポイントをつくることが大事ですかね。
熊谷:
なるほど。凄く勉強になりますね。
水嶋様DDSを見学
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大切なことは、
お客様に寄り添う
ということ。